『ひたひたと』文庫本発売記念。プレゼントキャンペーン! [小説]
『ひたひたと』文庫本発売記念。プレゼントキャンペーン!
5月15日(火)発売の文庫本『ひたひたと』を抽選で5名様にプレゼント。
<応募期間>
4月23日(月)から5月15日(火)
TOPペ-ジよりご応募ください。
当選は発送をもって変えさせていただきます。予めご了承ください。お申し込みに際し、お客様の個人情報は、抽選終了後、1ヵ月以内に責任を持って廃棄いたします。
野沢尚公式サイト運営事務局
「恋愛時代」書籍 [小説]
『恋愛時代』の日本公開にあわせて、原作本に新しい帯がかかりました。
「さよなら」を
言ってから
始まる恋がある。
お互いの結婚相手を紹介し合う2人だが、何も進展しない。
そんなとき、理一郎は高校の同級生と再会。
再婚話がとんとん拍子で進んでしまう。
めでたくウエディングベルが鳴ろうとするとき、はるは、偶然
にも彼が隠す”優しい秘密”を知ることに。「そんな・・・・・・・」
忘れていた気持ちを思い出した彼女がとった行動とは?
第4回島清恋愛文学賞受賞作品。
『群生』gunjou [小説]
『群生』・・・・・仏教用語で、たくさんの生き物、すべての生き物、一切衆生の意。
第3話 『群生』
構成は第一章~最終章まで全8章からできています。出版の時にはこの章でのくくりは取ってしまうのかな?ゲラチェックではそうなっていたように思います。
午前4時、5年前に別れた息子からの突然の電話。
「お父さんに一度、訊きたかった」
「僕が生まれてきたのも、間違いだったのかな」
そんな問いかけに、父親は答えを捜す。・・・そんなことないよと答えた。そして今度一緒に食事をしようと会う約束して電話を切った。その1時間後、息子は10階建てのビルの屋上から投身自殺。
息子の死が物語の幕開けになります。とてもショッキングな始まりに、これからどんな話になっていくのだろうと、いっきに話の中に引き込まれてしまいました。
父親として息子の死の真相を捜す。悲しみと痛みは読んでるというより一緒に体験しているかのような感覚でした。
息子の死をきっかけに始まった物語の最後は・・・。どんなラストが待っているのか、是非皆さまご自身でお読みいただけたらと思います。
構成とはいえ量も質も十分に読み応えのある素敵な作品になっています。そして多くのことを考えさせられる作品です。
私は野沢の優しさがたくさん詰まった作品だと思いました。
この『群生』の中でも「手紙」というツールを効果的に利用して描かれているのですが、野沢作品には手紙というアイテムが多く登場していると改めて感じました。今現在、韓国で制作、放送されています『恋人よ』も手紙を通じての恋愛を描いています。
4月6日に『13番目の傷』、4月9日には『ひたひたと』を、そして本日『群生』を、3日間に分けて紹介させていただきました。
3つの作品は一冊の本として5月15日に書店に並びます。
タイトルは『ひたひたと』です。
どの作品もまったく別の印象を与えてくれる作品です。お楽しみに!
『ひたひたと』 [小説]
第二話 『ひたひたと』
2人目の告白者です。河野加寿子(こうのかずこ)、39歳と10ヶ月。
この告白を男性読者はどの様に読み取るのでしょうか。私は女性ですから当然女性の感覚で読み取るのですが、もしかしたらこの作品は男性読者と女性読者とでは少し違って感じ取る部分があるのではないかと思いました。
この『ひたひたと』は前章の「13番目の傷」とは違った意味でとても怖いと思いました。人間の奥底にあるものとでも言ったらいいのでしょうか・・・。誰にでもあるかも知れない・・・気がつかないでいるかのも・・・。
(いつものように短編でミステリーなのでストーリー詳細は書けないのですが・・・)
出版当時、主人公は私と同い年でした、それに共通項がたくさんあって、つい自分だったらなどと考えながら読んだことを思い出します。
例えば、独身時代に活動していたエリアが渋谷だったり、結婚後、住まいが東急東横線沿線だったり、細かな部分では、夫婦二人の共通の趣味がDVD鑑賞だということも同様です。きっと野沢は仕事半分で見ていたから私ほど楽しんで見ることはできなかったと思います。それでも美味しい赤ワインを飲みながらDVD鑑賞をして作品について語り合う時間はとても楽しい時間でした。
この作品も他の作品と同様に、自分たちの生活の一部を文中に織り交ぜながら書いたのでしょう。野沢作品を読むときに、今では私だけが知っている二人の思い出を再確認することができます。
まだそれが悲しみと感じるときも多くありますが、いつか懐かしい思い出になると思います。いつか薄れてしまう記憶ではなく、こうして文字として残っていることへ感謝します。
『13番目の傷』 [小説]
数日前に講談社から原稿が送られて来ていたのですが、忙しさにかまけてずっとそのままにしていました。(編集者さん、ごめんなさい)
昨日から『ひたひたと』文庫化に向けてゲラのチェックをしています。編集者さんの丁寧なチェックがあって私のチェックなどほとんど必要ないように思われますが、これを機に改めて読む楽しさもあるので頑張って読んでいます。
単行本出版から約2年半ぶりくらいになるでしょうか・・・今読み直してみて「やっぱりすごい!」と改めて感じています。
この『ひたひたと』は5角形の個室に集まった男女5人がそれそれ自分の秘密を打ち明けるという構成で、全5話を一冊の本として完成するはずでした。
野沢が亡くなり2話までしか読むことができませんが、残りの作品も読みたかったとそんな気持ちにさせられるミステリーです。今日は5作分の1のお話を紹介します。
第1話 『13番目の傷』
まず、一番最初の告白者は、轡田芳雄(くつわだよしお)。ミステリー小説が好きな営業マン。ミステリー小説の中でかつて愛読した作品「秘密の友達」というアメリカのサイコ・ミステリーがこの集まりに参加するきっかけになった。主人公はどこにでもいそうな平凡な男性ですが、信じられない体験を披露してくれます。野沢のストーリーは幾重にも予想を裏切りながら進展していきます。そして最後の最後でも。本当に信じられない展開が待っています。
この『13番目の傷』の文中で登場したサイコ・ミステリー小説「秘密の友達」がアメリカで映画化になったと書かれています。アメリカで映画化されたときのタイトルが「サウンド・オブ・サイレンス」で、マイケル・ダグラス主演です。皆さまこの映画はご存知ですか? 2002年当時、私も野沢と一緒にこの作品を見ました。アンドリュー・クラヴァンの原作を読んだときほどの衝撃は感じられなかったですが・・・。参考までに。
『13番目の傷』のストーリーから少しそれてしまいましたが、作品が短編であることや、ミステリーであることなどから内容を詳しく書けないので、文中に登場する物や作品などに触れながら紹介しようと考えました。いかがでしょうか。しかし、こんな部屋でこんな話を聞いたら・・・・しかも真実・・・考えたくないですね。
皆さまのご意見感想お待ちしています^^
『ひたひたと』 [小説]
『ひたひたと』文庫化決定!
講談社より5月15日に文庫化が決まりましたので、
ご報告いたします。
この作品は、
閉ざされた部屋に集まった
5人の男女が、
自らの心の闇を1人ずつ告白し合う・・・・・
全5話で一冊の単行本として
出版の予定でした。
しかし、残念ながら
告白は2人で終わってしまいました。
『13番目の傷』・『ひたひたと』
私の初めての原稿チェックはこの2作品でした。
何でも初めてのことは
印象に強く残り記憶されるものですね。
今もはっきり覚えています。
次回作品にと構想していた
「群生」のプロット(短編のボリュームがあります)
も併載されて発売の予定です。
これは、単行本には無かった作品です。
発売をお楽しみになさってください。
(プレゼントの企画も検討中です)
『恋人よ』 [小説]
『恋人よ』が間もなく韓国で翻訳出版されます。
日本でも上下巻で出版されていますが、皆さまもうお読みになりましたか?やはりドラマでご覧になった方のほうが多いのでしょうか?
ドラマ『恋人よ』の脚本作りに向けての野沢の思いを私なりに編集してみました。
2組の新婚夫婦として隣同士になった4人の男女が、それぞれに秘密を抱えながら愛に苦しみ、愛を獲得しようとする切ないまでの姿を見つめる恋愛心理劇。
「私の人生は私のものなのに、どうして私自身のためにしか使えないのか・・・・・・?」
ヒロインの情熱はこの言葉に集約される。しかし、このようなエゴイズムを貫き通すことが恋愛時代の特権だとしても、結婚生活を得てしまった男女には許されるはずはない。
許されない不倫愛を一貫して描いてきたのが、『親愛なる者へ』『素晴らしきかな人生』『この愛に生きて』の夫婦3部作であった。3作品の主人公たちは結婚生活の足枷から逃れ、ある意味で身勝手に、本能的に愛を求めた。
しかし、『恋人よ』は不倫愛に対して揺るぎない価値観がある。「性というものは大切なのだ。誰かを裏切るセックスや、その場限りのゲームみたいなセックスは、自分の生命に傷を刻む」
この『恋人よ』の主人公2人は、最後まで抱き合わない。
それでいながら、奇跡のような愛の極みに到達する。
プラトニックと呼べば薄っぺらになってしまう。モラルの回復という教条主義でもない。セックスレスという流行への迎合でもない。
体で相手を知ってしまった時から、男と女の限界が露わになる。性に溺れるほど絶望が彼方に見えてくるのではないか・・・・・・。
ヒロインはそれを知っているから、夫以外の異性に恋をしたとき、自分の精神の強さを試してみようとした。
抱かない愛。抱かれない愛。
精神的な愛で生涯結ばれてゆく男と女。
精神的絆となるのが・・・・・「手紙」。
私書箱を通じての手紙の交換である。
それは、塀で隔絶されていようと隣人として常に10メートル以内に生活している2人にとって、極めて遠回りな感情の伝達方法である。
しかし、その遠回りにこそ美しさがあり、燃えるような情熱がひそむ。
現代人は手紙を書かなくなったが、ドラマでは、このすたれた表現形式を重要なモチーフとしている。
瞬時の切り結びである対話や電話と違って、手紙においては言葉は選ばれ、ゆるがせにできない形を与えられる。文章は消えることなく、時間を超えて残り、思わぬ時に顔を出して、手紙を与えられた者の人生を左右する。
『徹底して耐える愛』を選んだ2人に、文章の交換というものが信じられないような熱情をもたらしてゆく。
朝、道で顔を合わす。「おはようございます」と親しき隣人の挨拶を交わした2人には、実は、私書箱に潜む狂おしいラブレターが待っている。
もちろん、恋の文章だけでは2人は幸福になれなかった。
徹底的に耐えた分だけ、破綻するときの姿は激しく、痛々しい。
2組の夫婦は、全てを曝け出してしまえは、すなわち2組の不倫関係であったことが分かる。
あらゆる秘密が吐き出された時、4人は解体し、一種の「夫婦交換」状態となる。もちろん新しい男と女の関係にも、地獄はあった。
そんな4人が、お互いの傷を克服し、生涯の友人となってゆく。
エンディングで待っているのは一人の「死」。
しかし、残された人間たちにもたらされるのは、一通の手紙であり、手紙が予言する1つの奇跡だった。
このドラマは夫婦劇、不倫劇といった通俗性を衣にかぶった『文学』であると思う。
真紅の花々が群生する沖縄の断崖を、一人の少女が輝くはかりの笑顔で飛び跳ねている・・・・・。 私はこのシーンで涙があふれ、エンドクレジットが終わってもその涙は止まりませんでした。 皆さまはいかがでしたか?
本日放送!『氷の世界』 [小説]
『氷の世界』本日フジテレビより放送です。
本日は第一話、第二話ですから、放送の時間にはトイレを済ませ、飲み物を用意してテレビの前でじっくりご覧になってください。新たな発見があるはずです。
~・~ 役者さんへのラブレター ~・~
野沢は脚本を書く上で一番大切にしていたのは、ドラマの表に出ない登場人物の経歴を丹念に作ることでした。家族構成や年齢、初恋から失恋まで、どういうふうに生きてどんな傷を持っているか、その人物の伝記を書くつもりで執筆していました。そうすることで「こういう人生を歩んできたんだから、ここでこのセリフを言わせたい」っていうふうに。脚本はその役者さんにあてるラブレターだと言っていました。そしてその役者さんを愛さなくてはと。
『氷の世界』シナリオ集
上記写真のシナリオ集は、そんな野沢の思いがいっぱいに詰まった本です。最初のページをめくると目次の次に「廣川英器、28年の歴史」が8ページにわたって書いてあります。続いて江木塔子、烏城武史、庄野月子、迫田正午と書いてあります。
このシナリオ集を読むことによって、映像に描かれていない登場人物たちの経歴が分ります。「あ・・こんな家庭で育ったんだ」「こんな子ども時代があったんだ」など詳細に書かれています。お読みいただいてから放送をご覧になるとより深みのあるドラマの見方ができると思います。
表面的な事件や出来事だけでなく、描かれた人々にも思いを寄せてご覧になってみてください。
映像として見るのもいいですが、読んで見るのもまた新鮮です。
是非試してみてください。
砦なき者 [小説]
『砦なき者』は、
第43回江戸川乱歩賞受賞作品『破線のマリス』の
続編とご存知だったでしょうか?
首都テレビ「ナイン・トゥ・テン」を舞台にして
繰り広げられる物語は、
大きく分けて「殺されたい女」「独占インタビュー」
そして「降臨」「Fの戒律」と
3つの短編小説のような形で構成されています。
それぞれのタイトルごとに、
物語りは完結しているのですが、最後に
1つの物語『砦なき者』として
完成させるように、
八尋樹一郎が登場するのです。
とても斬新な構成になっていると思います。
なかでも私は「殺されたい女」が一番好きです。
この作品が完成し
最初に読ませてもらったとき、
「私は今夜、殺されます」の台詞にえっ?と思い、
気がつけば赤松と女の会話に
引き込まれていました。
まるで物語の中に居るかのような緊張感で、
この先はどうなるのだろうと
ドキドキしながら読んだことが思い出されます。
当時の私にとっては『破線のマリス』よりも
好きと感じたことを記憶いしています。
各章が短いので、あらすじを書いてしまうと、
これから読まれる方には
ご迷惑になってしまうと思いますので
感想だけにしました。
本当に印象に残る作品だと思いますので、
是非ご一読いただけたらと思います。
皆様に『烈火の月』文庫本プレゼント。は終了しました。 [小説]
皆様に『烈火の月』文庫本プレゼントは終了しました。
たくさんのご応募ありがとうございました。
当選者の方々には、追ってメ-ルにてご連絡させていただきます。