『群生』gunjou [小説]
『群生』・・・・・仏教用語で、たくさんの生き物、すべての生き物、一切衆生の意。
第3話 『群生』
構成は第一章~最終章まで全8章からできています。出版の時にはこの章でのくくりは取ってしまうのかな?ゲラチェックではそうなっていたように思います。
午前4時、5年前に別れた息子からの突然の電話。
「お父さんに一度、訊きたかった」
「僕が生まれてきたのも、間違いだったのかな」
そんな問いかけに、父親は答えを捜す。・・・そんなことないよと答えた。そして今度一緒に食事をしようと会う約束して電話を切った。その1時間後、息子は10階建てのビルの屋上から投身自殺。
息子の死が物語の幕開けになります。とてもショッキングな始まりに、これからどんな話になっていくのだろうと、いっきに話の中に引き込まれてしまいました。
父親として息子の死の真相を捜す。悲しみと痛みは読んでるというより一緒に体験しているかのような感覚でした。
息子の死をきっかけに始まった物語の最後は・・・。どんなラストが待っているのか、是非皆さまご自身でお読みいただけたらと思います。
構成とはいえ量も質も十分に読み応えのある素敵な作品になっています。そして多くのことを考えさせられる作品です。
私は野沢の優しさがたくさん詰まった作品だと思いました。
この『群生』の中でも「手紙」というツールを効果的に利用して描かれているのですが、野沢作品には手紙というアイテムが多く登場していると改めて感じました。今現在、韓国で制作、放送されています『恋人よ』も手紙を通じての恋愛を描いています。
4月6日に『13番目の傷』、4月9日には『ひたひたと』を、そして本日『群生』を、3日間に分けて紹介させていただきました。
3つの作品は一冊の本として5月15日に書店に並びます。
タイトルは『ひたひたと』です。
どの作品もまったく別の印象を与えてくれる作品です。お楽しみに!
共通テーマ:本
野沢さんの作品は大好きで書店に出掛ける毎に新しい?自分が未見のモノは即に購入してます。ただ、恥ずかしい話ですがこの、公式ブログの存在はしりませんでした。これからも更新の度に拝見させていただきます。
by ab-ovo (2007-04-16 09:56)
ab-ovoさま
コメントありがとうございます。
まだ未知の作品があるということは、私も頑張らないといけませんね^^
公式ブログにお気づきいただきありがとうございました。
これからも、どのような情報を提供したら良いのか検討しながら、皆さま
が楽しめるサイトに出来たらと考えています。
ご意見や要望などありましたらお願い致します。
出来る限りお応えしたいと思います^^
by 野沢 (2007-04-17 22:04)