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「反乱のボヤージュ」 [小説]

こんにちは。

「反乱のボヤージュ」が、集英社文庫のナツイチフェアにあわせて重版されることになりましたので、お知らせいたします。

無題.png

以前の文庫カバーは青空テイストでしたが、今回は、夕陽の色になり、全体的に温かみのある爽やかなものになりました。 若者たちの、成長と旅立ちを描いた作品のイメージに合う素敵なデザインだと思います。是非、この機会にお読みいただければと思います。

http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=4-08-747726-6&mode=1


2017-06-29 17:21  nice!(3)  コメント(7)  トラックバック(0) 
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「反乱のボヤージュ」重版 [小説]

こんにちは。
今日のソウルも日本同様に暑いです。それに加え、空気が悪いのか外出すると頭が痛くなります。現地の方が言うには、中国からの大気汚染のためだとのことです。

さて、「反乱のボヤージュ」が重版になりました。出張先で連絡を受けたときは信じられないほど嬉しかったです。野沢が亡くなって13年目になり、絶版のお話があってもおかしくないところを重版のお話とは…。これも、読んでくださる方々のおかげです。また、この小説を大事に思ってくださる集英社にも感謝しております。
野沢が生きた証ですので、いつまでも作品が残ることを願っています。


反乱のボヤージュ (集英社文庫)




2016-08-05 11:02  nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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アメリカで「深紅」の翻訳出版決定 [小説]

最近は、暖かい日と冷え込みの厳しい日が交互に繰り返していますが、体調管理が難しいですね。

さて、昨年よりアメリカにて「深紅」の翻訳出版のお話を進めてきましたが、正式に契約を交わすことができましたのでご報告いたします。出版時期は2015年の下期です。詳細が分かりましたら随時お知らせいたします。


2015-01-27 12:03  nice!(6)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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本日発売です! [小説]

東京地方は桜の開花と同時に雨の日ばかりで、今年は早々に散ってしまいそうですね…。

さて、本日は『野沢尚のミステリードラマは眠らない』の発売日です。数日前にサンプル本をいただきましたが、装丁も綺麗でとても気にっています^^是非お読みいただければと思います。

__ 1.JPG






2014-04-05 00:19  nice!(2)  コメント(4)  トラックバック(0) 
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『野沢尚のミステリードラマは眠らない』出版決定! [小説]

今日の東京地方はぽかぽかとあたたかな1日で、やっと春がやってきた感じでしたね^^今週末には桜の開花宣言も出そうですし、お花見の季節ですね~^^

さて、この度、『野沢尚のミステリードラマは眠らない』が文庫本として2014年04月05日に出版されることになりました。

野沢尚新刊写真.png

シナリオが完成するまでのプロセスと合わせ、野沢の発想を公開したドラマ脚本論となっています。小説とはまた違った目線で楽しめる書籍となっております。是非ご一読いただければと思います^^


野沢尚のミステリードラマは眠らない

野沢尚のミステリードラマは眠らない

  • 作者: 野沢 尚
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2014/04/05
  • メディア: 文庫



2014-03-24 23:03  nice!(5)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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「水曜日の情事」シナリオ集あとがきより(2) [小説]

6月2日のつづき

 書くのが楽しくてしょうがなかった、と書いたが、それはちょっと強がりで、書くことは実に辛い作業だった。
 人に見せるのはもっと辛い。
 ウチの子供たちだ。小学5年生の息子と3年生の娘は、この頃、父親のドラマをオンエアで見るようになった。 「反乱のボヤージュ」で感動した3日後に、この不謹慎なドラマが始まった。毎週、パジャマを着て歯を磨いて、いつでも寝られる用意をしてから見ている。
 第3回のラスト、あの激しいラブシーンを見てしまった娘は、眼鏡の奥から冷たい眼差しで僕を見て、こう言い放つ。
「パパ、エロいよ」
息子が続く「エロエロだよ」
第4回の初回のシーン、情事の後、詠一郎が心の中で呟く。
「すごい。すごすぎる。歩いて帰れるだろうか」
意味を訊かれたらどう答えようかと、その日、朝から憂鬱だったが、彼らは問わないでくれた。
「体の相性がこんなに合う男性、私初めて。もの凄い声、あげちゃった」
娘は15年か20年くらいしたら、この台詞の意味が理解できるようになるだろうか。いや、そんなことを無理して理解する必要はない。
 女性の幸せはそんなことだけじやないぞと、いつか言ってやらねばなるまい。


 奥村チョさん。
 もしドラマの打ち上げにいらして、「恋の奴隷」を目の前で歌ってくれたら、僕は感涙にむせぶだろう。
 確か小学校の4年生だったと思う。
 自分の小遣いで大人のレコードを初めて買った。それが奥村チヨさんの4曲入り33回転のレコードだった。「嘘でもいいから」と「恋泥棒」と「恋の奴隷」と「恋狂い」が入ったやつだ。今目の前に置いてこの原稿を書いてる。
 あのねっとりした歌声に、10歳にして大人の女の色気を感じたのだ。
 それを妻に話すと、「変な子」と言われた。 褒め言葉と受け取っておこう。そのくらい「変」でなきゃ作家にはなれないのだ。
 川内康範さんもなかにし礼さんも、歌っている奥村チヨさんもそんなつもりではなかったかもしれないが、彼女の唄う歌は全て「愛人ソング」に聞こえる。
 いつか自分のドラマでフィーチャーしようと、虎視眈々と狙っていたのだ。
「逃げる恋なら、つかまえてみたい/私あなたに恋狂い、恋狂い/追いかけて、ああ追いかけて、ふり捨てられて/泣きながら、ああ泣きながら、すがりつく/つめたくされるほど、燃えるのよ燃えるのよ」(「恋狂い」より)
 男性社会における憧れの愛人象、というような歌詞で、田島陽子女史が聞いたら噴飯ものかもしれないが、まさに天地操のメンタリティーにつながる。
 撮影前に石田ひかりさんに会った時、「とにかく奥村チヨを完全にコピーできるようにしておいて下さい」と要望したほどだ。

 朝9時半、奥村チヨヒットメドレーと久保田利伸さんの「キャンディー・レイン」を聞きながら執筆を始める、という日々はとうに終わっている。
 人が死なないサッカー小説を書き、人がたくさん死ぬミステリー小説の仕上げをし、また多数の犠牲者が出そうな連続ドラマを準備している。
 世の中は死臭に満ちている。
 しかし作家は現実を追いかけてはならない。現実の方から追いかけてくるような虚構を書くのが、おそらく作家の仕事だろう。
 水曜日の夜、街には妻帯者と愛人とのよからぬ愛が満ちている。
 今の世界情勢に比べたらどうでもいいことかも知れないが、巷ではそんな現象がきっと起こっているに違いない。
 僕は真っ直ぐ家に帰るけど。
 
2001年11月14日

 全11本の脚本を改めて読み返してみて、「男と女の物語を書くのはしんどい」と独りごちた、第6回放送の水曜日に
                                                        野沢尚



                                    「水曜日の情事」あとがきより

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あとがきを読んで記憶っていい加減だなと思いました。子どもたちも一緒にドラマを見ていたんですね。私の記憶では、朝学校が早いので寝かせていたように思っていました。
文章を読みながら当時の楽しそうな光景が浮かんで懐かしかったです。
16歳になった娘もこのドラマの記憶はまったく無かったようで、今回の再放送を初めて見るように楽しんでいました。
文章中で野沢が心配していたこともまだ完全には分からないと思いますが、もう少し大人になってこのドラマを見た後に、このあとがきを読ませてあげようと思います。


2009-06-04 17:53  nice!(2)  コメント(5)  トラックバック(0) 
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「水曜日の情事」シナリオ集あとがきより [小説]

先週まで「水曜日の情事」が再放送され連日多くの皆様にサイトをご訪問いただきました。ありがとうございました。多い日には1万ヒット以上の訪問もあり、サイトを開いて以来の反響に驚いています。
さて、コメントにも書いてくださった方がいらっしゃいましたが、「水曜日の情事」シナリオ本があるのですが、そのあとがきに書かれていました文を数回に分けてご紹介したいと思います。

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<あとがき>
 3年間で29人。
 何の数字かお分かりになるだろうか。
 答えは、僕が殺した人間の数。
 「眠れる森」「氷の世界」「喪服のランデブー」 「リミット」というこの3年間で書いたミステリードラマで死んだ登場人物、その合計だ。
 刺殺ヽ射殺ヽ毒殺ヽ轢き逃げ、溺死に見せかけた殺人、果ては臓器の売買までやってしまった。悪事の限りを尽くした、という感じだ。
 そろそろまっとうな人間に戻ろう、と思った。
 かつては「親愛なる者へ」「素晴らしきかな人生」「恋人よ」という恋愛ドラマを書いてきた人間ではないか。(まあ、その中でも結構残酷なことはやってきたけど……)。
 最後まで1人も死なないドラマを次は書かなくてはならない、と自分に課して構想を始めたのが今回のドラマだった。
 ところが書いていくうちに思った。
 平均7人の登場人物を殺してきたこれまでのドラマより、1人も死なないこの「水曜日の情事」の方が実は遥かに怖いドラマではないか・・・・・・。

 最初にスタッフに渡したプロットに、こんな企画意図を書いた。
世にも恐ろしい愛人の存在が、男の日常を根底から揺さぶる。そして、実は愛人よりも遥かに恐ろしかった妻の存在が、男の人生を想像もしなかった第二章に導く。 
男はどうやら、あまたの女たちの手の内で転がされ、育てられるようだ。
女は母胎の中だけでなく、人間を育てることのできる生き物らしい。
これは地球人(男)とエイリアン(妻と愛人)の戦いを描く物語である。
とにかく怖い。そして笑える。
微糖でブラックな昧わいの、スウィート・コメディである。

周りの反応――――友人、他局のプロデューサー、文壇バーのママ、放送評論家、番組ホームページに書き込んでくれる人たち、近所のクリーニング屋のおばちゃん――――といった方々の声を聞くにつけ、作者の最初の方針はどうやら達成できたんじゃないだろうか、と思っている。
 しかし、だ。
 今年の秋は、テレビドラマ界にとっては受難の季節となった。
 アメリカとアフガニスタンが被った受難とは比較にはならないだろうが、とにかく現実社会の激しさの前では、虚構の世界は人々に夢や希望を与えるという本来の機能を失ってしまった。
 地下鉄サリン事件の年も出版不況、ドラマ離れという状況があった。現実社会が血生臭くなる時、人々はそこから目を離すことができない。まず、9時のニュースを見る。10時のニュースを見る。ドラマどころではないのだ。視聴者の気持ちは実によく理解できる。
 あの同時多発テロの日、僕はすでに「水曜日の情事」を7話まで書き終えていた。その先の波瀾万丈のストーリーはもちろん決まっていたけど、何やら色褪せて思えたものだ。
 それでも、物語の力を信じようと思った。妻と愛人の間で右往左往する男の物語が世界平和のために役立つとはあまり思えなかったけど、僕はとにかく結末の「ふくよかな幸福感」を目指してひた走った。

 振り返ってみると、今回の仕事ほど脚本作りがスムーズに進んだ例は過去にない。番組が放送開始になる頃には、すでに全11話を書き終えて、仕事場に届く完成VTRを楽しみに待つだけだった。
 詠一郎の受難を書くのが楽しくてしょうがなかった。操によってシチューの中に結婚指輪を落とされた回は、爆笑しながら書いていた。
 結婚記念日と愛人の誕生日が同じで、「どっちを立てるべきか」と詠一郎が悩む回では、「どっちも成立させるんだよ!」と士気を鼓舞してやったものだ。そのお蔭で彼は愛欲の深みにはまってしまった。かわいそうに。
 前回耕作も愛すべきキャラクターだだった。あの作家の3分の1は僕自身だ。自己愛の極致。常に「お前は天才だ」と言い聞かせながら孤独な密室作業を続ける作家という人種。ただし、僕は彼ほど純粋ではないし真面目でもないし、連続20万部のベストセラーは出していない。文壇は僕に温かいけど、出版不況は僕に厳しい。
 佐倉あい。天地燥。こんな女たちが本当に身近にいたらどうしようかと思った。
 「今、あなた、わたしのこと透視してるでしよ」
 言われてみたいと思った。
 「そういうフカフカしかあったかい人生、あなたなしで見つけるから」
 言われたらどうしようかと思った。

 脚本制作現場の裏話をひとつ、お教えしよう。
 ラストシーンには別バージョンがあった。
 円形劇場のような再会の場から、詠一郎とあいと操が去っていく。
 あいは耕作と結ばれ、子供がいる。
 操にも年下の男との幸せな結婚生活か待っている。
 振り返らない約束だったのに、詠一郎は立ち止まり、元妻と元愛人を振り返ってしまった。
 「さようなら、女たち」
 と呟きかけた時、後ろから「それ、私にも言ってるの」と声がする。
 志麻子だ。不思議と水商売の匂いのしない、昼の光の中の志麻子が、丘の上で詠一郎を待っていた。
 「迎えに来てくれたんだ……行こうか」
 志麻子と仲良く手をつなぎ、円形劇場を後にする。
 詠一郎と志麻子を結びつけるというこのエンディングは、僕と永山ディレクターが木村多江さん演じる志麻子にクラクラきていたせいで出来上がったのだが、女性スタッフにはすごぶる評判が悪かった。 詠一郎を幸せにさせてはならん、と言うのだ。
 軽いフットワークで妻と愛人の間を行ったり来たりしていた詠一郎という男。結婚式で2人の女から捨てられるというだけでは「償い」にはなっていない、文壇バーのママと一緒にさせるなど言語道断、というわけだ。
 これが世の女性視聴者の一般的心理、と見た。
 男はゼロからのスタート、という最初のプロット通りの結末に落ち着いた。「男の出発(たびだち)」というト書きで詠一郎を送り出してやることにした。
 

つづく


2009-06-02 14:48  nice!(5)  コメント(9)  トラックバック(0) 
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やはり書店で本と出合いたい [小説]

先日、講談社の編集者さんから、とても嬉しいお知らせをいただきました。

野沢尚にとって代表作とも言える『深紅』を武蔵小杉にあります書店(ブックスサガ武蔵小杉店)さんが店頭展開してくださり、新たな読者向けにご紹介してくださっているそうです。
一人でも多くの方に野沢尚作品を読んでいただき、心に残る一冊だと思っていただけたら、こんなに嬉しいことはないです。
野沢尚が作品に託した想いは、色褪せることなく、今も生きてるのだと思うと本当に嬉しいです。

090406_1629~01.jpg
ブックスサガ武蔵小杉店の様子。


現在インターネットでご購入なさる方も多いと思いますが、素敵な一冊と出会うのも、お気に入りの一冊を見つけるのも、やはり熱心な本屋さんでだと思います。もちろんただ本を並べてるだけといったお店もありますが、それぞれのお店の個性があって、本当に本が大好きなスタッフの方々がいて、手作りのポップや張り紙を作り作品紹介をしている本屋さんは、いい本との出会ができるお店だと思います。
そんな素敵なお店がいつまでも多く残ってほしいと思います。

ご近所にお住まいの方は是非立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
私も行ってみたいと思います。


2009-04-13 00:00  nice!(3)  コメント(8)  トラックバック(0) 
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「文芸せたがや」 [小説]

「文芸せたがや」という文芸誌で、「文学作品の中の世田谷」ということで
『反乱のボヤージュ』を取り上げていただきました。

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野沢も私も長く世田谷区に住まわせていただいていますが、このような文芸誌があることを知りませんでした。今回、完成本を送っていただき読ませていただきましたが、俳句、短歌、詩、小説などの区民からの応募作品や他の著名な作家の作品が紹介されていてとても興味深かったです。
このように誰もが文学に参加し触れ合える試みは素敵なことだと思いました。
創刊は昭和57年とありましたが、現在に至るまで多くの方々の手で丁寧に作られてきたのだと感じる一冊でした。

経済j情勢の厳しいこんな時代だからこそ、文学に触れ、心豊な生活をできたらと思います。


2009-04-03 23:16  nice!(3)  コメント(4)  トラックバック(0) 
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録音図書② [小説]

前回ご紹介しました「録音図書」ですが、図書館で貸し出すことはもちろんですが、販売も行っているようです。

DSC02381.jpg
小説「深紅」の録音図書販売用です。DVDケースの少し大きめのものといった感じです。

DSC02383.jpg
中はこのようになっていまして、カセットテープが入っています。
「深紅」はもう一冊(カセットテープ3本入り)がありまして、全部で2BOXでした。
  ↑
上記写真2枚は、1世代前のカセットテープのものです(参考に・・・^^;)

しかし、最近はDAISY(デイジー)と呼ばれる新しい録音図書の製作規格に変わりつつあるようです。デジタル録音で、メディアもカセットからCD-ROMになり、音声データを圧縮し、1枚のCD-ROMに数十時間の音声データを入れることができるようです。出版されているほとんどの本が1冊丸ごと1枚のCDに収まり、気になる箇所に「しおり」をつけたり、ページ・見出し移動などの便利な機能も付き、読書の楽しさがさらにアップしているようです。





2009-02-19 01:00  nice!(3)  コメント(5)  トラックバック(0) 
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