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『野ブタ。をプロデュース』 [取材]

【 3日目

恋愛時代出版交渉のお話の前に、その出版社ですでに発売されていた日本の原作本の中国版をご紹介したいと思います。
翻訳出版にあたり、とても熱心な思い入れで作られていました。
お話を伺ったのは今回の野沢作品の担当者Lin Yaoさんです。
 

                       左、日本の原作本です。 
ドラマにもなりましたのでみなさ  
まご存知だと思います。
野ブタ。をプロデュース』です。

家でも子供が観ていました。 

 ストーリー・・・舞台は教室。プロデューサーはクラスメート。イジメられっ子が人        
         気者に。

下記は中国版の書籍です。
タイトルが『野猪大改造』となっていますね。

書籍本体も帯びも共に同じ絵柄で合わせてあるのですが、右写真のように帯をはずしますと、椅子に座ったブタさんの表情が違うのです。分かりますか?

上の写真は表紙のすぐ内側になります。左がおもて表紙、右が裏表紙です。
気が付きましたでしょうか。最初ブタさんの絵ですが、最後には人間になっています。Lin Yaoさんの説明によれば主人公の少女が最後には素敵な女の子になる様子をイメージしたそうです。
写真ではお見せできないのですが、その他にもページ番号のところにもプリントがあって絵柄がラストに向かって人間になっていました。1ページ1ページ絵が違うことになりますね。

この様にこの作品を理解し、いかにしたら中国のユーザーが気にってくれるかと工夫を凝らして制作されいました。
作家の女房としては本当に感動しました。もちろん作家さん自身もこの様な現場の声を聞けたら嬉しいと思います。

通常、日本の書籍を海外で出版する場合、各国のエージェントを通して行うのが一般的です。ですから作家さんにはこういった現場の思いや熱意は伝わらないものです。現に野沢作品も過去数回海外出版(韓国、台湾、中国)させていただきましたが、版元からオファー書が来て、OKしたら後は明細と売り上げ振り込まれるだけでした。
こういった現場の声を作家さんにも聞かせてあげられるようになったら素敵だと思いました。

今回お話を伺った蔺瑶(Lin Yao)さんのお名前が一番上に記載されています。
若干24歳の彼女はこの出版社において出版や交渉の決定権を持つ女性でした。 大変驚きました。
日本の出版業界ではほとんどない形態ですが、社長へのお話がストレートに通るし、決済が早いのはとてもいいと思いました。
ここでも日本より進んでると感じる1面をみました。能力は年齢や性別に関係ないことを実践している会社でした。
他のスタッフも若い方が多く、物つくりに対する熱意と活気が溢れ、とても素敵な会社だと思いました。

 


2006-11-23 09:01  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(2) 
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上海の書店 [取材]

2日目

到着日に出版社へアポイントメントを入れたところ、社長のスケジュール的には16日がベストということで、11月16日に約束をしました。ですから15日は1日空いたので、市場調査を兼ねて上海の本屋さんを訪ねてみることにしました。
ついでに上海の街を散策してきました。

移動はタクシーではなくバスを利用しました。できるだけ現地の暮らしを体験したかったので。バスの料金は日本円で20円くらいでした。安いですね。やはり物価の差を感じますね。

バスの中は以外にも近代的で、バスの前方両サイドにはモニターが1つずつ付いていて、そこではローカル局の番組やコマーシャルが流れていました。日本では最近電車の中にテレビモニターが設置されたばかりで、バスにはまだないですね。意外にも中国は進んでるなと感心しました。

お目当ての書店があるエリアは「南京路歩行街」というところでした。
日本の銀座のような場所だそうです。そこは常に歩行者天国のようになっている場所で、自動車は入ってこないので、人々はのんびりと行き交っていました。
道の両サイドにはいろんなお店が並んでいました。お茶やさん、食堂、お菓子屋さん、みやげ物やさん、衣料品、スポーツ店などなど。(日系のお店もありました)
訪れたときは平日でしたが、かなりの賑わいでした。
ちょっとお行儀悪いかとも思いましたが、私も現地の人を真似て中国スイーツを食べながら通りを散策しました。とても美味しかったです^^
道幅50メートル以上もあろうかという道路ですが、休みの日は身動きできない程の人で、食べ歩きも困難だそうです。行くなら平日がおすすめですね。

            

中国では、日本のようにそこかしこに書店があるという状況ではなく、決まったエリアに集中して数店舗しかないので、そう気軽に本を買うような状況ではないようでしたね。私が訪ねたエリアでも1店舗と言っていました。
どう考えても人口の割合に対して書店が足りてないと思うのですが・・・・・。

訪ねた書店は下記のお店です。

         

1階はDVDなどが売られていたのですが、残念ながら日本の物はありませんでした。ですがアメリカ映画などは売っていました。(どうしてかな?)
書籍は2階から3階までジャンルごとに綺麗に配置されいました。日本の書店とは違った雰囲気でしたね。右の写真を見て分かるように階段の踊り場には警備員が立ち、日本の貴金属店のような感じでした。
現地の人にしたら本は高価で貴重なものなのでしょうか・・・(現地スタッフに聞くのを忘れました)
単行本(ソフトカバー)は日本円にしたら260円ちょっとの値段でした。

新聞や週刊誌程度のものは、街角のスタンドショップのようなところでも売っていましたが、中国の若者世代はインターネットを利用して本を買うことが多いそうです。多分ネットの普及状況は日本よりも進んでるように思います。

訪れた書店で取り扱っていた日本の作家さんの作品は非常に少なく、村上春樹さんの作品が数点と、日本の古典文学や漫画のようなものだけでした。寂しかったです。   

         


-この日の市場調査を終えて-
中国の人たちに、もっとたくさん日本の作家さんを知って欲しいなと思いました。素敵な作品もたくさんあるのだから・・・。
そして、是非野沢尚作品も読んで欲しいと思いましたね。
そのためにも、明日(16日)の出版交渉は一生懸命に頑張ろうと、強く思いました。日本書籍の棚に恋愛時代を平積してもらいですね。

いよいよ次回は出版社との交渉です。
前日からドキドキでしたが・・・・。

 


2006-11-22 00:05  nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 
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上海紀行 [取材]

11月14日(火)から17日(金)まで中国上海に行ってきました。野沢尚原作恋愛時代の中国での出版に関して、現地の出版社と交渉のためでした。ひとりでも多くの方に野沢作品を読んでもらいたいとの思いで、単身での上海訪問です。私は中国を訪ねるのも初めてでしたし、行く前は本当に不安でした。
もちろんビジネススタイルも、出版事情も全然違うのだろうと思っていました。
実際日本と多くの点で違うところがありました。
とりあえず、ビジネスの不安はあっても、せっかく行くのですから、中国の人々や文化ともふれあえたらいいなとも考えて出発しました。
4日間と短い日程でしたが、記憶に残る素敵な体験ができました。
また、出版交渉においても実り多い中国上海訪問になりました。
今日から数日間、中国上海紀行としてお知らせいたします。


【1日目】

11月14日(火)AM11:20成田空港発JAL619便、上海浦東空港行きで
中国へと飛び立ちました。上海までは2時間と30分程度の飛行時間でした。
思っていたよりも近い国なのだと感じました。

   
上海浦東空港は本当に大きくて、端から端まで動く歩道を使ってもすごく時間がかかりました。さすが中国です。
(JALは外国のエアラインだったせいか到着口が一番端でした・・)

ものすごく込み合った到着ロビーで、なかなか現地スタッフと会えなくて、半分泣きそうな気分でした。上海語は分からないし、現地で宿泊先も手配してもらっていたので・・・。
数十分後、何とか出会うことができ上海市内(ホテル)へと向かいました。
空港から市内までは結構距離がありました。多分1時間程かかったと思います。現地スタッフは、日本の成田空港のような感じと言っていました。(位置関係のことだと思いますが)
そうそう、途中で走っているリニアモーターカーを見ました。
ちょっとだけ感激でした。
日本ではいまだに実用化しないですが・・・。
国土が広い中国だったら本当に役立つ乗り物でしょうね。
もう1つ驚いたのは、中国の高速道路です。なんとすべて無料だそうです。
日本もそうして欲しいですね。
羨ましいです。

市内に入ると大渋滞にびっくりしました。
とにかくものすごい数の車でした。こんなに自動車が普及してたことに驚きました。また乱暴な運転に、クラクションを鳴らす人の多いこと、騒音に慣れないせいかちょっと頭が痛くなりました。(日本人ドライバーのマナーの良さを実感しました)
私の中国のイメージは広々とした街中を自転車が行きかうといったものだったから・・・。
意外でした。

東京の渋滞に慣れているので、移動中さほど苦痛ではありませんでしたが、ホテルまで3時間以上かかりました。

街中は建設ラッシュでたくさんの工事中の建物が目に付きました。
こんなに作っても入る人が居るのかと思いますが、人口12億以上の中国ではまだまだ足りないそうです。今世界中の資源(鉄鋼材や石油)が中国に流れ込んでる感じですね。地球の資源が減っていくのを実感できる街でした。


   
   足場の感じは日本と違いますね。

上海の街は、近未来的なモダンな建物からアヘン戦争前の建築物まで新旧入り乱れてなんとも形容しがたい街でした。とても不思議な街です。 

         
   この球体形のビルはテレビ局のビルだそうです。
   (日本のお台場にあるテレビ局も球体をモチーフにしてましたね)

次回は中国の出版事情と、市場調査を予定しています。


 


2006-11-20 17:36  nice!(0)  コメント(3)  トラックバック(0) 
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おまけ!  [取材]

増山さんの4コマ漫画があまりにかわいかったので・・・


2006-11-16 21:47  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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初めての取材・・・2 [取材]

『明正堂』にはポップと言われるたて看板がたくさんあって、本の内容が
一瞬にしてイメージできるようになっていました。
もちろんこれも全てが手書きで丁寧に作れていました。

    

本の並べ方もとても綺麗でみやすいし、ジャンルごと特集ごとになっていて探しやすいようになっていました。
極めつけは、増山さんをはじめ店員さんたちが本当にお客様を思っていると感じたことでした。常にお客様の目線になって考えておられました。
今まで私が思っていた本屋さんのイメージを、全然違ったものにしてくれました。

取材の途中に、増山さんからいただいた手書きで作られたチラシ(めいしょうどうアトレ新聞)を数枚いただきましたそれは、担当の増山さんのほかにも版元の編集者の方や、同じ店内の店員さんのコメントが可愛らしいイラストやレイアウトで飾られたものでした。これにもびっくりです。
いつも忙しい編集者の方から、コメントまでもらうなんて、なんという根性だろうと改めて感動でした。
そんな増山さんや明正堂のスタッフの方々の熱い思いと、労を惜しまない販売活動が、日本ナンバーワンの販売部数を誇る書店にしたのだと思います。

ここで、2タイトルのみ数字をお知らせしますが、(言っていいのかな・・・まっいいか)   『リミット』4992冊、『深紅』4184冊だそうです。
一店舗で売り上げたとは思えない数字です。
編集者の方も、とある大型書店でも1タイトル500冊くらいと言っていましたから、この書店の販売部数がいかに驚異的かお分かりいただけると思います。

注)もちろん他の作家さんの作品も同じように大事に販売されていました。

こんなに素敵な本屋さんがあることを、みなさんにも是非お知らせしたくて記事を書かせていただきました。
初取材に、記事を書くのも初めてで、この書店及び増山さんの素晴らしさを十分表現できたか心配ですが、頑張りました。
取材にお邪魔させていただきました明正堂さん、対応してくださった増山さん、朝早くから同行してくださった講談社、野村さん本当にありがとうございました。
素敵な出会いに感謝です。  


2006-11-16 21:13  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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初めての取材 [取材]

11月8日 上野駅そばにある明正堂 アトレ上野店に行ってきました。
お店の方が、野沢作品の大ファンで、1店舗では驚異的な部数を販売された
そうです。
今回と次回の2回に分けて取材記事をアップします。

こちらのお店のことは、2年ほど前に講談社の方からお聞きして知っていました。一度、訪ねたいと思いつつ、野沢のこともあり身の回りの忙しさに追われ機会を逃していました。
この度、野沢尚公式ホームページ開設にあたり、作品に関わるエピソードは
ないかと考えたときに、お礼をかねて、販売のご苦労をおうかがいしたいと、
明正堂さんのことが浮かびました。
そこで、講談社の野村さんにご無理をお願いして、今回の取材が実現しました。同行までしていただきありがとうございました。

 そのお店で働く増山さんにお話をお伺いしてきました。

 まず、店内に入った瞬間から普通の書店とは違う空気がありました。
なんと表現したらいいのでしょうか・・・・・。こんなとき作家さんの表現力は
すごいと思わされますね。
私なりに頑張って表現すると、店内はすきりとしていて、安心感と暖かさを
感じました。同時に、とても居心地のいい空気を感じました。
どうしてそう感じるのか店内を見回すと、他の書店では見られないものが
いくつもありました。
例えば、本にかかっている帯です。
1枚1枚、1冊1冊手作りなのです。
出版社が用意したキャッチコピーではなく、1枚1枚別のコメントが手書きで
書いてあるのです。
とても信じられないと思いました。


私が「このキャッチコピーはどなたが考えるのですか」とお聞きしら、
「私です」と、増山さんがおっしゃいました。
「こんなにたくさんの帯を作るのは大変じゃないですか?」とさらに訪ねると
「野沢さんの作品の文章はどこをとってもキャッチコピーになるんですよ」と
笑顔で答えて下さいました。
さらにこうも言ってくれました。
「本当に好きな作品だから、どんどん言葉が浮かんでくるんですよ」と。
ものすごい量の帯ですから、きっと夜なべをして作ってることでしょう。
本当に感動しました。
こんなにも作品を愛して、それを多くの方に伝えようと一生懸命に本を
売ってくださるなんて、野沢はなんて幸せな作家なんだろうと思いました。
≪次回に続く~木曜日にアップ予定です。≫


 


2006-11-13 16:32  nice!(0)  コメント(4)  トラックバック(0) 
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