映画館に休日のサラリーマン、きたる③ [「映画館に、日本映画があった頃」]
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映画館に休日のサラリーマン、きたる③
確かに監督の言う通り、僕のホンは台詞もト書きもお喋りである。
「どこかサイボーーグ的な」とか「どこか魔的で」とかいうト書きが、ずるい、と言うけど、アレはつまり、現場の皆さんへのサービスだ。
キャラクターをどう掴んでいいか悩んだ際に、この「どこか……」というト書きを、おイヤでなかったら参考にして下さいという、控えめな性格の脚本家のささやかな好意だと思ってくれなきや。
そういう好意を「ずるい」と言われちやあ、貢いでも貢いでもこっちを振り向いてくれないで人知れず涙する日陰の女のように、僕はサミしい。
僕は、ホンを誤解して撮られたり演じられたりするのが、たまらなく怖い。監督や役者を信用していない訳じやないが、今まで多くのト書きが曲解されて映像化されてきた過去があるので、とにかく書きたいことは書いておこうと思うだけだ。
ま、それでも、今回は台詞の多さについては反省している。オールラッシュをご覧になった荒井晴彦氏が「あんなに字を書くスペースがあるんなら、もっと他に大事なことを書くべきじやないか」という意味のことを仰っていたけど、僕本人もわりと同感だ。前号掲載の脚本を眺めると、ほとんど言葉で埋め尽くされている。
今度、監督と組む時は、台詞のお喋りな点はちょっとだけ直す気はあるけど、監督の方も、打合せでは、銀座のクラブ活動の半分ぐらいお喋りになってくれると、僕はありがたい。
お互いに歩み寄るっていうのはどうですか。
>>続く
2008-01-30 07:00
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