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『ラストソング』を読み終えて [小説]

ラストソング

 

                                           これは、
                    まだアナログのレコードに針が落ちていた頃、
                                      青春も音楽も、
                       あの塩化ビニールのドーナッツ盤のように
                             傷つきやすかった頃の物語。

                               スターを夢見る八住修吉と
                            運命的な出会いをした稲葉一矢。
                                 それを見守る庄司倫子。

                                        自分のロックで
                                  成功する夢を持つ彼らは
                                          東京へ旅立つ。
                                               しかし
                                        待っていたのは
                                  苦しい下積み生活だった。
                                荒んでいく修吉を見守る倫子、
                                   その倫子を慰める一矢。
                               微妙なバランスでつながる三人。

                                        そんな状況で
                            注目を集めたのは一矢の音楽だった。
                                            逆転する
                                      修吉と一矢の関係。
                                   三人の選んだ道は・・・・。

 

久しぶりに読み終えて、またいつもの場所で涙してしまいました。
3人がそれぞれの人生に向かって一歩を踏み出そうとする場面と、修吉と一矢の別れの場面です。そして一番好きなセリフは、かつて修吉が一矢に言った一言です。
「そのカンテラは・・・これから俺が持ってやる。その光で、俺が、お前の道を、照らしてやるから」
この言葉はとても大切で重要な意味を持っているとともに、一矢と修吉のキャラクターを見事に表現してると思いました。


残念ですが現在ラストソングは絶版で、図書館か古本屋さんでしか手に入らないと思うのですが・・・。
みなさまも、ぜひ一読くいただけたらと思います。心優しくなれる作品です。

 

 


2007-08-13 01:06  nice!(1)  コメント(4)  トラックバック(0) 
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コメント 4

ナオ

こんにちは。再読されたのですね~。
(私もしたいです)
そして、絶版はもったいないです。ひとりでも多くの人に読んでもらいたいですよね。私は運良く図書館で借りて読みましたけど、自分の手元に置いておきたい本の中のひとつです。
余談ですが、図書館の野沢さんのコーナーにこの、「ラストソング」が並んでいないときが多く、そのたびに、「今頃誰かが感動中なんだろうなあ」とすっごく嬉しくなります。大好きな本はたくさんの人に読んでほしいですからね。
by ナオ (2007-08-13 09:05) 

野沢

ナオさま
嬉しいお言葉ありがとうございます。
私も本腰を入れて、再販に向け努力してみます^^
上手くいくかは分からないですが、多くの方に読んでいただきたい
本であることは間違いなく、私も大好きな作品なので^^
うん・・・どの出版社がイメージに合うのでしょうか・・・。
by 野沢 (2007-08-13 20:57) 

真理庵

残暑お見舞い申し上げます。
昨日図書館から『ラストソング』を借りてき、昨日今日で読み終わりました。
ノベライズということですが、映画を観ていなかったこともあり、凄く新鮮で好きな作品だと思いました。
「あとがき」で野沢先生が「この小説を原作と位置づけても構わない」と書かれていらっしゃるとおり、世の中に良くある筋書だけ追った【ノベライズ】とは全く違う、鮮烈な作品でした。
バンドを組むとか、メジャーデビューとか、「スター誕生物語」には良くある筋立てですが、野沢先生の手にかかるとこうなるのだと感心しました。個人的に私も似通ったことの周辺にいましたので、ある種生々しいというか、忘れていた記憶を思い出しました。。。
妹が大学でロックバンドを組んでいたり、私の就職したメーカーがバンドデビューするグループのコンテストに後援してい、宣伝部にいた私も関わっていました。勝ち進む人、敗れる人、そういう人々の様子を舞台袖から観ていました。
野沢先生が音楽関係者十数人の取材資料を無駄にしたくなかった、生き返らせたかったという思い、身にしみました。
私も何らかの形で再販できるといいなと願っています。
by 真理庵 (2007-08-18 00:07) 

野沢

真理庵さま
本日は暑さも和らぎ過ごしやすいすね^^
あとがきまでしっかり読んでいただきありがとうございます。
そうですね、映画の脚本を書いた後に執筆したという形式上、ノベライズと言う言い方になっていますが、事実上は原作と言っていいかと思います。
実際に脚本を書く前に野沢が書き溜めた原稿やシノプシスなどを含めた、膨大な原稿を一冊にまとめたものです。
映像では表現できなかった登場人物の個人的な背景などを、細かく描き人間の本質や素敵さやを十分に表現してると思います。

「ラストソング」のようなドラマを間近でご覧になっていたんですね^^
なんだか想像できます^^
素敵な青春時代だったと思います。

再販の可能性がある小説だと思うので、頑張ってみます^^
by 野沢 (2007-08-18 16:25) 

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