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オルゴール [ドラマ]

突然ですが、本日は野沢の思い出の品を公開します。

このオルゴールは、野沢が亡くなってしばらくして仕事場にフジテレビの女性プロデューサーの方に同行していただき、執筆途中の原稿や書類、PCデータなどを取りに行ったときに発見したものです。

野沢はもともと装飾品のたぐいは嫌いで身に付けない人でした。少し神経質なところもあったのか、原稿をワープロで書くときに、結婚指輪が気になって仕事がしにくいと言って、結婚後すぐに外してしまったんです。新婚当初は「どうして指輪しないの?一緒にして欲しいんだけど・・・」と言ったことがありました。2人お揃いの結婚指輪を付けるのは、私にとってささやかな夢だったから、ちょっと寂しく感じていました。


<当時は左側に野沢の指輪が1つしまってありました。今はその横に私の指輪を一緒にしまってあります>

ふたを開けたらオルゴールのメロディーが優しく流れ、中には野沢の結婚指輪が大切にしまってありました。
私は、それを目にした瞬間、オルゴールのメロディー何だか分からないほど、心が動揺して、大声で泣いてしまいました。
そして、ひとしきり泣いた後、女性プロデューサーの方に「この曲は何ですか?」と聞きました。彼女は親愛なる者へのテーマ曲、「浅い眠り」だと教えてくれました。そうしたらまた涙が止まらなくなってしまい、しばらくオルゴールを抱えて泣いてました。 

親愛なる者への2人のような人生は野沢自身にとっても理想だったと思います。ふたを開けるとこのドラマのテーマ曲「浅い眠り」が流れるオルゴールケースの中に、大切に私たちの結婚指輪を保管していたんだ、私とあんな人生を夢見てたんだと思うと本当に悲しくて涙が止まりませんでした。
台詞では饒舌に語るのに、実生活では口下手で、こんな素敵なことも話してくれませんでした。本当にもっとたくさん話をしたかったです。

 


2007-08-06 15:49  nice!(3)  コメント(17)  トラックバック(0) 
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コメント 17

野沢様、こんばんは。こんな素敵な、思い出話をお話くださって、ありがとうございます。読んでいて、涙が溢れてきました。

なんて言ったらいいか・・・このオルゴールの中に込められた想い、言葉にできなかった想いが感じられて、考えただけで泣けてきます。書いてるそばから、涙で画面が滲んでます。

二つ並んだ指輪が、とってもキラキラ輝いて見えます。
本当に素敵なお話、ありがとうございました。
by (2007-08-06 19:05) 

hibiki

こんばんは。
ステキなお話を聞かせていただけて本当に嬉しいです。
と同時に、私も涙が溢れてしまいました・・・。

野沢さんは口下手な方だったんですね。
あれだけステキな台詞を沢山残されているのに・・・と思うと不思議な感じがします。
(『ふたたびの恋』のDVDでは沢山お話しされているものですから^^)

このオルゴールやオルゴールに込められた野沢さんの想い、少しでも感じられたことが幸せです。
大切な思い出を見せていただいて、本当にありがとうございました。
by hibiki (2007-08-06 19:42) 

NO NAME

野沢さま
大切なオルゴール。見せてくださってありがとうございます。
作品だけでなくここでも涙ぐんでしまうとは・・・。
大切に飾られた指輪もBGMの「浅い眠り」も、なんとも切なくて愛しい不思議な気持ちです。
改めて夫婦愛ってなんだろうとゆっくり考えたくなりました。
先生との大切な思い出を見せてくださってありがとうございました。
by NO NAME (2007-08-07 15:29) 

ナオ

同じ女性として、結婚指輪への想いにはとても共感です^^;
そして亡くなった後での愛の深さに(こんな言い方をしていいのか分かりませんが)鳥肌がたつほど感動しました。
天国から愛のメッセージを送ってくれたんですね。(涙)
こういったお話も含めて野沢さんの一生が本になったらいうことないなあ、と勝手ながら願ってしまったりして…。
by ナオ (2007-08-07 19:22) 

rio

ホントにありがとうございます。
私もあたたかく、切ない涙が止まりません。
ずっと、無意識にはめている指輪よりも、お仕事のトキに外して、またはめるほうが、結婚指輪を大切にしていた感じが伝わりますね♪
このオルゴールを始め、野沢氏の作品のすべてが野沢さんへの想いだと思います。
by rio (2007-08-07 22:59) 

Sho

この記事に書かれたときの奥様のお気持ちを、推し量ればその想いは
とても簡単に言葉にできなくて、何も書けない気がします。

野沢さんがどんなに奥様を大切に思っておられたか、奥様がどんなに野沢氏を大切に思っておられたか、ずきずきと伝わってくるような思いでした。
by Sho (2007-08-07 23:16) 

野沢

ピョルさま
いつもコメントありがとうございます。
暑い夏が来ると、今も鮮やかに当時が思い出されます。
むしょうに野沢に会いたくて仕方なくるときがあります。
そんなときは、昔の野沢作品をビデオ棚から引っ張り出して
観るんです。
なぜか昔の作品になればなるほど、登場人物たちは野沢の
話し口調にそっくりなのです。
ドラマの中に野沢を感じ、登場人物のセリフに励まされ、また
前を見て頑張ろうと思うんです^^
by 野沢 (2007-08-08 01:05) 

野沢

hibikiさま
はい^^
口下手なほうだと思います。
すごくシャイでしたね。
自分の口で言うよりも、ドラマの登場人物たちの口を借りて
言ってるようなところがありました^^
どの作品の中にも、私生活の一部分が使われていて、そして
言い訳したりしていて、作品見ながら、「私に言ってるのね」と
思うシーンも多くあるんです。
公共の電波でと思いますが^^;
今ではステキな思い出です。
by 野沢 (2007-08-08 01:10) 

野沢

NO NAMEさま
コメントありがとうございます。
この「親愛なる者へ」は単なるドラマ作品として書いたのではなく、
自分自身の理想の夫婦像を描きたし、見たかったんだと思います。
この「親愛なる者へ」は、これ以降に書かれた多くの作品の原点に
なっているように思ます。
野沢自身もきっとこんな風に人生を過ごしたかったんだと思います。
by 野沢 (2007-08-08 01:17) 

野沢

ナオさま
コメントありがとうございます。
仕事のときに邪魔なこともあって指輪をつけることができないけど、たとえ指にしてなくても私への思いは指にしてるのと同じだと、きっとそんな思いで、このこるゴールのなかに大事にしまって置いてくれたんだと思います。
そんなことも恩着せがましく言うわけでもなく、自分の中で大事にしている人でした。
・・・・亡くなってから分かることってたくさんありますよね。
by 野沢 (2007-08-08 01:32) 

野沢

rio さま
そうですね。
無意識にしている指輪じゃないからこそ、大事に考えてくれたのだと
思います。
そのことが良く分かるからこそ、嬉しくて切なかったです。
生きているときに知りたかったです。
でも、こんなにも私を大切に思い、愛してくれていたんだと知ったことは、今私の生きる支えになっています。
by 野沢 (2007-08-08 01:41) 

野沢

Shoさま
野沢が亡くなって、まる3年が経ち、ようやく当時を客観的に考える
ことができるようになったように思います。まだ完全ではないかも知れ
ませんが・・・。
今でも、ホームビデオなどの動く映像は見ることができないです。
それに、「深紅」のカナコのように、当時と同じ夏が来るとあの日と
同じ景色を色鮮やかに思い出し、セリフも一言一句思い出します。
これはPTSDと言われるもですね。
当時治療を勧める人もいましたが、私はこのままがいいと思いました。
どんなに辛くても、記憶を操作して亡くなった日のことを、野沢のことを消したくなかったのです。辛い記憶も全部含めて野沢との思い出だと
思うから。
当時はお薬の力も借りたりしましたが、今はほとんど昔と変わりなく
過ごしています。
私の意志が強かったのでしょうか^^;
うん・・・きっと子供たちのお陰ですね。
子供たちに私がしてあげられることは、大げさなことじゃなくて、ただ
この世に存在すること。とにかく生きているだけで子供たちのためだ
と思ったんです。

それでも、泣きたくなるくらい寂しく辛いときもあります・・・・・そんな
ときは野沢の残した作品を見るんです。
作品は私を元気付けてくれます^^

コメント書いていたら深夜になってしまい、ちょっと暗い話になって
しまいましたね^^
すいません。
by 野沢 (2007-08-08 02:26) 

野沢

皆さま、ブログをお読みいただきありがとうございます。
そして、いつもコメントありがとうございます。
たくさんのコメントに元気をもらっています。
感謝です。
by 野沢 (2007-08-08 02:29) 

Sho

野沢様
>それでも、泣きたくなるくらい寂しく辛いときもあります・・・・・そんな
ときは野沢の残した作品を見るんです。
作品は私を元気付けてくれます^^

それこそが、野沢氏が書いておられた
     このドラマがあなたにとって
     素晴らしい時間でありますように。
     未来への希望でありますように。
     観た後、周りの人に優しくなれますように‥‥
     そういうドラマを受け止めてくれ、
     がっちりその手でつかんでくれと

     だったら身近な人間だ。
     たったひとりのためでもいいから、
     このドラマを見てほしいと、
     このドラマで心を揺さぶられてほしいと祈れ。

その「祈り」が込められていた証だと思います。
野沢氏は、本当に、命を削るように「祈り」を込めて書かれていたのだと思います。僭越に、失礼いたしました。
by Sho (2007-08-09 00:09) 

まあ

 素敵なお話ありがとうございます。
シンプルなオルゴールですが、存在感がありますね。
野沢さん口下手だったんですか・・・私の父も口下手で、母との出会いを、母に言わず、私と主人に打ち明けて黙って、旅たちました。
文章に綴りたいのですが、文章力がなく諦めています。
話がそれてすいません。
これからも、野沢さんの作品を、読み続けたいと思います。
暑さ厳しい時期ですが、お身体に気をつけて下さい。
by まあ (2007-08-10 11:07) 

野沢

Sho さま
励ましのコメントありがとうございます^^
by 野沢 (2007-08-10 23:47) 

野沢

まあさま
コメントありがとうございます。
お父様も照れやさんだったんですね^^
お父様とお母様の出会いがあって、まあさまも存在してるい
訳ですから、大事な大事な思い出ですね。
素敵です^^
by 野沢 (2007-08-10 23:55) 

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