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『ラストソング』 [小説]

ラストソング・・・・・だいぶ昔の作品ですでに絶版になっているのですが、図書館でお読みいただいたとブログにコメントをいただき、私自身も懐かしく思い出し、もう一度読んでみようと思いました。本の表紙をめくると・・・・こんな言葉で始まります。

           十数年後に、

           彼らと同じような青春時代を迎えるかもしれない、

           崚と優に──────

崚と優は子供たちの名前です。
このラストソングを書いた頃、子供たちはまだ3歳と赤ちゃんだったと思います。
いつか2人の子供たちが主人公と同じ年齢になったとき、友情や恋愛、そして人生に悩んだら、この作品を読んで込めた思いを受け取って欲しいと思い書いたのだと思います。
それほどの愛情と思いを込めて書いた作品ですから、読んでくださる多くの方々にも、子供たち同様にメッセージが伝わることと、信じています。


構成は「序章」・「第一部 出発」・「第二部 流浪」・「第三部 訣別」・「終章」となっていますが、各章の冒頭にそれぞれの章をイメージした文があります。ご紹介します。

 

「第一部 出発(たびだち)」 

なんて冷たいかわいらしい手、
わたしに暖めさせて下さい。
捜して何になるのでしょう?
この暗闇では見つかりそうもありません。
でも幸いなことに今晩は月夜で、
ここに、わたしたちの傍に、月がいるのです。

─────── プッチーニ 『ボエーム』

 

「第二部 流浪」

明け方には雨が降るかもしれない、
けれど頭上には虹がかかるさ。
誰かに愛されるんだ。
誰かに愛してもらうんだ。
手おくれになる前に。

───────イーグルス 『ならず者』

 

「第三部 訣別」

俺たちは約束し、いつまでも忘れないと誓い合った。
決して退却しない、決して降伏しないということを。
死守することを誓った嵐の夜の、血を分けた兄弟たちよ。
俺たちは決して退却しない、決して降伏しない。

───────ブルース・スプリングスティーン 『ノー・サレンダー』

 

私もこの作品は大好きです。
今日から、また読み始めます^^
後日コメントを書かせていただきます。


2007-08-02 00:13  nice!(1)  コメント(3)  トラックバック(0) 
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コメント 3

ナオ

こんにちは。
私が読んだ野沢作品の中で、こちらが一番好きです。こんなにリアルで映像が目に浮かび心が鷲掴みされる小説はそうはありません。泣きました。ほんとに。
読んでからしばらくたちますが、いつまでも胸に残っています。
by ナオ (2007-08-02 14:14) 

野沢

ナオさま
コメントおよびniceありがとうございました。
お返事遅れてごめんなさい。

私も「ラストソング」は大好きな作品です。
野沢作品は、何度読み直しても同じ場面で感動し涙してしまいます。
他の作家さんの作品も読みますが、そんな作品はそう多くないです。
野沢の思い(祈りが)そこに込められてるからなんだと思っています。
残念ですが、今のところ絶版になっているため、書店で買うことはできないのですが、こうしてコメントをいただけて本当に嬉しいです。
良い作品なので、また再販できるように努力したいと思います。
コメント本当にありがとうございました。
by 野沢 (2007-08-04 10:03) 

yu

yukikoさんは「ラストソング」を自由が丘武蔵野館でご覧になられたんですよね?
「もう脚本の仕事をやめたい」と言う野沢さんに、一週間「ねぇ、あれ、本気じゃないよね?」と気にされた事。
「ラストソング」は代表作。1994年、野沢さんが語ってらした事。
脚本家と云う仕事の限界、疑問を感じ、小説を書き始めた事。
全て「映画館に、日本映画があった頃」に書かれている事です。
約一ヶ月前に、読み終えた時、興奮収まらず、思わず「買い取りたいんです!」と図書館の職員の方に言ったんですけど無理でした。
当たり前の事なんですけどね。
これからも沢山の人達がこの本を読んで、野沢さんの素晴らしさを知るんだ。と納得させました。
この本こそ復刊してほしい!!ですが、映画の時代背景があるので難しいですね。
でも、映画について語るのはキッカケに過ぎず、「野沢尚」の思考や、繊細さを知ることが出来る素晴らしいエッセイなんですけどね。
私が今まで出会った中で一番大切な本です。
絶版なのが本当に残念です。
一生手元に置いて何度も何度も読み返したかったんだけどなぁ。
沢山の人達に読んでほしい。そんな本です。

「親愛なる者へ」のあとがきでは、破顔一笑の若き野沢さんを見ることができ、
「結婚前夜」のあとがきで、二十年後の娘さんへ語りかけるところでは、涙がこみ上げ、
「水曜日の情事」のあとがきで、娘「パパ、エロいよ」息子「エロエロだよ」と言われてる野沢さんを想像しては、笑みがこぼれてしまいます。

「眠れる森」のホームページで、視聴者に希望を抱いていた野沢さんは「氷の世界」のホームページで、視聴者との対話を試みて、誹謗、中傷、人格攻撃を受け、その世界とは、決別してしまう。(そこに光を見ていたのに)
作家の方と対話する機会なんて、そうそうないのに・・・ 今でも「野沢尚」と話してみたいと思っている、私としては、悔しくて、哀しくて。(作品を通しては語り合えるんですけど・・・)
そんな野沢さんだからこそ、このホームページを微笑ましく見守ってらっしゃることでしょうね。参加したくて堪らないと思いますよ。
yukikoさんが一つ一つ丁寧にコメントされているのを初めて見掛けた時、とても感動しました。(ここで、一つお礼を云わせて下さい。一週間前の書き込みにコメント頂き有難うございました。本当に嬉かったです。)
今の、このホームページの状態こそ、野沢さんが望んでいたモノかもしれませんね。

拙い文を最後まで読んでいただき有難うございました。
これだけ書いてもまだまだ、野沢さんへの想いは溢れて止みそうにありません。

新刊はもう出ないのに、本屋に行く度に「野沢尚」の本を探してしまう日々に代えて。
by yu (2007-08-07 17:10) 

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