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映画館に翔ぶ赤い風船の謎【5】 [「映画館に、日本映画があった頃」]

>>>1月19日の続き

映画館に翔ぶ赤い風船の謎【5】

 ともあれ、次には誰が続くのか。
 アクション映画を深作さんだけにまかせておいちゃいけない。金をかけて、時間をかけて、しかし製作会社が経営危機に瀕しないようなフォローがちゃんとあれば……アクション映画の芽は必ず育つ。僕も続きたい。この映画を超えたい。

 深作監督へ。
 僕が書いたあのホンのことです。
 今年3月の中止決定の時、理由は製作費の問題だということでした。実は監督の興味が失せたからだったことは聞いて知っています。
 あしかけ2年、計4度の直しの結末が『興味』の問題だというのは……こればっかりは仕方のないことだと思いつつも、書いてきた人間にはちょっと切ない現実です。
 どこに飽きたんでしょう。何がつまらなくなったんでしょう。それをちゃんと教えて戴かないと、このホンを次に進めることができません。他の監督でやるにしてもです。
 このホンには『今』がなかったでしょうか。僕はこのホンなら、『いつかギラギラする日』を超えられる気がするのです。

 アクション映画の後読者になる前に、1本、大事な映画が公開になる。
 9月15日現在、『課長島耕作』はオールラッシユ段階までしか見ていない。
 とにかくこの映画はヒットして欲しい。日本映画に必要なのは、シリーズ物の活力である。
 作り手だけでなく、観客にも映画を育てて欲しいのだ。築地方面の映画会社では、結局この数年、うまくいかないことばかりだった。有楽町方面の全社で初めてやることになったこの仕事で、何とか成果を上げたい。
 明後日、『親愛なる者へ』の最終回の視聴率20%祈願で近所の氷川神社に行くけど・・・・・・
 この映画のためにも、千円の宴銭を投げてこよう。

 

「映画館に翔ぶ赤い風船の謎」、終わり


 


2008-01-21 07:37  nice!(1)  コメント(3)  トラックバック(0) 
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コメント 3

ナツ

「青い鳥」 ―― かほりが理森と出会うシーン。
駅に翔ぶ赤い傘の謎が解りました。
 
最後にひとつだけ訊かせて下さい。
野沢さんは、白樺のあるあの駅を何度も訪れてたのでしょうか?
by ナツ (2008-01-23 09:01) 

野沢

ナツさま
「青い鳥」のロケに使われた駅ですが、シナハン(シナリオを書くための取材)のときに訪れてると思います。
それ以外に何回くらい行ったかは分かりません。あまり仕事の詳細を家で話さなかったので・・・・・・。
私は行ったことないのですが、いつか行ってみたいな~とは思っています^^
ナツさんは行かれたのですか?
by 野沢 (2008-01-24 19:06) 

ナツ

行った事あります。とても雰囲気のあるやさしい駅です。

駅の待合に「青い鳥」に関する書き込みノートがあります。
それを管理されているのは近くのペンションの方らしいですが。
自分の青い鳥を探してこの駅を訪れる方や、この駅に、この物語に人生そのものを救われた方なんかもいるみたいです。
あまり、パラパラと他人がめくってはいけないものかと思いましたが、その書き込みノートを少し読ませてもらえばそんな感じでした。

あそこは運命の始まりの駅であり、終わりの駅でもあるのですから、今も多くの人に幸せの「青い鳥」を授けているのかも知れませんね。
その証拠にではありませんが、今もモスグリーンのあの鳥かごがぶら下がっています。
隣の駅とは全くオーラみたいなのが違うんですよね。不思議な感じさえします。
なので訊いて見たくて。
いつも僕は、野沢さんの想い出を勝手にほじくってしまっている気がします。
書き込みが少しがさつであることを赦して下ださい。

ありがとうございました。
by ナツ (2008-01-24 20:18) 

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