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『ふたたびの恋』 カクテル [舞台]

野沢作品の中にはよくカクテルが登場することにお気づきでしょうか? カクテルを作るのも飲むのも好きだったこともあると思いますが、野沢自身はお酒があまり強くなく、少量でも顔が真っ赤になってしまうタイプでした。ですから、よけいにカクテルが好きだったのでしょう・・・量よりも味や香りを少しづつ楽しみ、ネーミングの由来などに思いを馳せていたのではないかと思います。

そこで、『ふたたびの恋の中に出てくるカクテルをご紹介したいと思います。
芝居の中で10種類くらいのカクテルを実際に作るのですが、それが役柄の感情にオーバーラップしていますので、カクテルと共にまつわる部分の台詞も載せてみました。
ここに紹介したカクテルを飲むときに、この物語を思い出していただけたらと思います。


まず一番最初に出てくるのが、野沢自身が一番好きだったジントニック
かつての有名脚本家、室生晃一がsunset-barで最初に注文したものですね。

材料【ドライジン、トニックウィーター】


次に、昔の恋人でシナリオ学校の教え子、今や売れっ子シナリオライター、逢木新子が
注文したジンリッキー

晃一・・・・・・・・・・・・・・・・きっとジンリッキーを注文すると思うんだ。
澤田(バーテンダー)・・・・ほう。それはまたどうして。
晃一・・・・・・・・・・・・・・・・ベースが同じ酒で、俺よりちょっと辛めのものを頼むんだ。変に
               対抗するんだよ。 しかも注文がやたらと細かくてね。バーテン
               泣かせの客と言えるんじゃないかな。  
澤田・・・・・・・・・・・・・・・・バーテン泣かせ(と聞くとファイトが湧く)ならば、イギリス・ジンよ
               り濃厚でコクがあるオランダ・ジンを使わせていただきましょう
               か。

材料【ドライジン、ライム・ソーダ】


3番目は、食事まで少し時間をもてあました晃一が注文した、甘めのカクテルシンガポールスリング』トロピカル風

澤田・・・・・・・・・・・・・・・一般のホテルでよくお飲みになるのは、サヴォイ・ホテルで改良
               されたものですが、ラッフルズ・ホテルで作られたオリジナル・レ
               シピはトロピカル風でございまして。
晃一・・・・・・・・・・・・・・・・どう違うの。
澤田・・・・・・・・・・・・・・・・ジンとチェリー・ブランデーにレモン・ジュースそしてソーダここま
               では同じですが、オリジナルではフランス最古のリキュール、
               ベネディクチンとパイナップル・ジュースが加わり、グレナデン
               シロップ、コアントロー、アンゴスチャビターズをワンプッシュ。
晃一・・・・・・・・・・・・・・・・うまそうだ。じゃ、トロピカル風で。

材料【ドライジン、レモンジュース、ソーダ、チェリーブランデー】


              
4番目のカクテルはsunset-barのバーテンダー澤田がかつて愛した女性がいつも注文していたカクテルキス・オブ・ファイヤー

澤田・・・・・・・・・・・・・・・・午後11時、彼女が最初に注文するのは、いつも同じカクテルで
                した。キス・オブ・ファイヤー・・・・・スロージンは、炎の色。女の
                情念の色です。
晃一・・・・・・・・・・・・・・・・・飲んでみたいね。
澤田・・・・・・・・・・・・・・・・・それでは・・・・・。

材料【ウオッカ、ドライ・ベルモット、スロー・ジン、レモン・ジュース、砂糖】


 《続きは次回に・・・・》

 

 


 


2007-06-14 01:19  nice!(2)  コメント(6)  トラックバック(1) 
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コメント 6

hibiki

初めてコメントさせていただきます。
いつも楽しく拝見させていただいています。

『ふたたびの恋』はPARCO劇場で拝見させていただきました。
とても心に残っている、大好きな作品です。
今でもDVDで拝見していますが、何度観ても涙が出そうになります。
そして観るたびにカクテルが呑みたくなるのですよね^^
澤田さんが最後に作るあのカクテル、どこかでいただければいいのになぁ~と毎回思います。

これからも楽しみにしています。
陰ながら応援させてください♪
by hibiki (2007-06-14 02:50) 

浮

『深紅』にもカクテルが登場していましたね。

今でも、バーに入った主人公が、
腕試しに難しいカクテルを注文する場面が浮かびます。
その場面が好きなんです。
じんわりと背中に汗をかくような緊張感。

やはり すごい。

野沢尚先生のような本が、書けたらと・・・。
いつか、書けたらと思っています。
by 浮 (2007-06-14 12:47) 

野沢

hibikiさま
コメントありがとうございます。
また、いつもご覧いただいてありがとうございます。
「ふたたびの恋」を実際にご覧になった方と、こうして交流できる
なんて、すごく感激です。

そうですね^^
私も澤田さんのカクテル飲んでみたいです。
by 野沢 (2007-06-14 14:54) 

野沢

浮さま
書き込みありがとうございます。
そうですね。
『深紅』でもカクテルが登場しますね。
秋葉一家を惨殺した都築則夫の娘が、「アイス・ストーム」という
バーで働いてましたね。
このアイス・ストームって『氷の世界』にも登場したと思うのですが
・・・・違ってたらすいません^^
by 野沢 (2007-06-14 15:04) 

Sho

「ふたたびの恋」は拝見していないのですが、ご容赦ください。

カクテルというと「結婚前夜」を思い出します。
盾夫が奈緒に、カクテルの注文の仕方を教える場面。
甘いのか辛いのか、強いのか弱いのか、何色か
の、3っつだったでしょうか?それだけが要で、それさえ伝えればプロのバーテンダーがちゃんと見立てて作ってくれるというもの。
そして、たった一人の未だ内気な奈緒が、浴衣でおどおどと「あの・・・」とバーテンダーにいう場面。
すごく洒落ていて、可愛くて、好きな場面でした。
by Sho (2007-07-17 16:32) 

野沢

shoさま
「ふたたびの恋」はDVDもあるので、レンタルなどでご覧いただけるかと思います。

「結婚前夜」でも、カクテルにまつわるシーンが出てきますね。
野沢自身もカクテルが好きだったから・・・・。
このドラマは野沢自身が、娘に向けたメッセージを込めて書いた脚本で
私にとっても思い出深い作品です。

子供たちも、父親のいないことで寂しい思いを抱えてると思うのですが、こうした多くの作品を父親と思って欲しいし、もし恋に悩んだり、人生に迷ったときには見て欲しいと思っています。
父からの言葉と思ってくれたらと思います。
by 野沢 (2007-07-17 22:48) 

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