『ふたたびの恋』 [小説]
『ふたたびの恋』
シーズンオフの沖縄
リゾートホテルでの偶然の再会
女は
売れっ子シナリオライター
そして男は、
知る人ぞ知る、かつての有名脚本家
ふたりは昔の恋人同士
女から
ストーリー作りの手助けを頼まれる
期限は、
ホテル滞在の3日間
選んだ題材は
“再会した恋人同士の悲恋物語”
タイトルは
「いま、ひとたびの恋」
二人の紡ぎだすストーリーは、
お互いの恋愛観にも重なる
かつての恋愛感情を
探り合うかのような台詞選び
どこまでが虚構で、どこからが現実なのか・・・
* * *
舞台『ふたたびの恋』をご覧になった方はいらっしゃいますか?
東京、名古屋、大阪と3都市をまわって行われた舞台ですが、
野沢がかつて書いた舞台脚本『恋人たちの短い夜』にも似た
心温まるラブストーリーです。
劇中の台詞で、野沢自身のことではと感じる台詞を・・・・・
男 いいか、祈りだ。
それがないドラマはすぐに忘れられていく。
俺たちは悲しいことに、
電波になって人々の間を
すり抜けていくようなものを作ってるんだ。
このドラマがあなたにとって、
素晴らしい時間でありますように。
未来への希望でありますように。
見た後、周りの人に優しくなれますように・・・・・
そういうドラマを受け止めてくれ、
がっちりその手でつかんでくれと
強く祈らないでどうする。
女 顔の見えない相手よ。シャドーボクシングよ。
万人に対して祈れって言われたって・・・・・。
男 だったら身近な人間だ。
たった一人のためでもいいから、
このドラマを見てほしい、
このドラマで心を揺さぶられてほしいと祈れ。
舞台「ふたたびの恋」より
パルコ出版から発売されています「ふたたびの恋」
のシナリオ本です。CD付ですので、音楽を聞きな
がらお読みになると舞台の感じを体験できると思い
ます。ご一読してみてはいかがでしょう^^
共通テーマ:本
野沢様、
大好きな『ふたたびの恋』を取り上げて下さり、有難うございます。
勿論この本もDVDも観させて頂いております。
ただ、残念だったことは、劇場で観ていないこと。
再演を切に希望します。また役所さん出てくれないかな~♪
たった3人の登場人物で、長台詞が多い舞台をこなすエネルギーに驚きました。
また小説は小説で、舞台の脚本はッ脚本として別に楽しませて頂き、
野沢先生の力量のすごさを感じました。
ところで、『ひたひたと』の文庫本、随分以前に読み終わりました。
『群生』についてコメント入れたかったのですが、
あのプロットの凄さと、遺作ということで、
ちゃんとした感想を書こうと気負ってしまったら、
文章にならなくなってしまいました。
すぐに野沢様に感想送るような事を書いてしまって、
軽率だったと反省しております。
ひとつだけ。「ひたひたと」と「群生」は全くタイプの違う作品ですね。
「群生」は『魔笛』や『深紅』『リミット』と同系列とみました。
サスペンスやミステリーの部類のものですね。
切迫した場面展開や、罪悪感、そして「殺されることを待っていた」こと。
野沢先生の『ふたたびの恋』とは全く違う側面が凝縮された作品でした。
覚悟が出来たらちゃんとした「群生」のコメント、改めて寄せさせて頂きます。
by 真理庵 (2007-06-08 09:10)
真理庵 さま
「ひたひたと」文庫本、お読みいただきありがとうございました。
「群生」も気にいていただけて嬉しいいです。いかがでしたか?プロットとは思えないほどの読み応えだったと思います。いつか感想をよろしくお願いいたします^^ 気負わずに感じたままに^^
by 野沢 (2007-06-09 02:17)
野沢様。
ふたたびの恋の中の台詞。
登場人物の口を借りた、野沢さんの作品に対する
真摯な思いが伝わってきます。
どの作品を手にしても、野沢さんの想いがこめられて
いるという印象を受けていました。
このふたたびの恋もまた読み返してみようかと思ってます。
by joker (2007-06-09 06:20)
野沢さん、こんばんは♪
まだまだ野沢尚作品で、知らないものもたくさんあることに、焦りと楽しみなキモチが両方ごちゃまぜです♪
野沢尚脚本の舞台やドラマ放映がたくさんあった時期は、子育て奮闘中で、子と共に寝てしまってたからですね。
これからも、どんどんオススメくださいね♪楽しみです。
by rio (2007-06-10 22:44)
jokerさま
シナリオ本もご購入いただいてるとは、本当に嬉しいです。
小説にくらべ、買って読もうという方は多くないように思うので・・・。
でも、小説とは違って映像をより連想させる書き方になっているので
違った感覚で読めるのでお勧めなんですけどね・・・・。
一般的にはよく知られていないようです^^
それに、野沢の脚本はト書きの部分も詳細に書かれてるし、表現する
言葉も素敵なものが多いです。
小説家の部分が生かされてると感じます。
by 野沢 (2007-06-10 23:51)
rioさま
コメントありがとうございます。
子育て中のママたちは、なかなか自分の見たい作品を欠かさず見るなんて出来ないですよね。
私も2人の子供を持つ身ですからよく分かります^^
この作品はDVDにもなっていますので、舞台をお見逃しの方でも
ご覧いただけると思います^^
それと、シナリオの本ですが、こちらもお勧めです。
同じタイトルで、小説も出ています(文芸春秋より)こちらは、図書館
でも借りられると思いますので、よければ是非お読みください^-^
参観お疲れ様でした^^
by 野沢 (2007-06-10 23:56)
こんにちは。Shoです。
ご紹介いただいたこの台詞は、すばらしいと思います。
ストレートに心に届きます。
毎回毎回、この「祈り」を込めて言葉をつむいでいくことは
どれだけのエネルギーを要したことだろうと、
めまいがするようです。
「脚本を書く」ということに対して、私が述べますのは僭越極まりないですが、野沢さんは大変に志の高い方だったのだと思います。
「ふたたびの恋」は、まだきちんとは読ませていただいておりません。
出だしを少し拝読したのですが、「結婚前夜」とちょっと雰囲気が似ているように思いました。
野沢さんの「結婚前夜」は、大好きです。
昼休み、ご本を求めて紀伊国屋書店まで走りました(笑)
たくさんの本を、読み終わるとリサイクルショップに売りに参りましたが
「結婚前夜」は、手元に置かせて頂いております。
またもう少し歳をとったら、読んでみたいと思っております。
by Sho (2007-06-12 13:31)
shoさま
コメントありがとうございます。
「結婚前夜」は私も大好きです。
NHKで制作されたドラマはどれも大好きで、スポンサーを抱える民放局と違って、必要以上の制約がないため、純粋に物語りを描くことができたからだと思います。
何かのインタビューで、「結婚前夜」は娘に読んで欲しいし見て欲しい作品と言っていました。
きっと身近な人間である娘のために、祈りを込めて書き上げたのでしょう。そして、娘の後に続く多くの皆さまにもその祈りが届いたことと思います。
by 野沢 (2007-06-12 20:50)
野沢さん
大好きな「結婚前夜」の感想を、拙ブログにて書かせていただきました。トラックバックさせていただきました。
ご主旨に添わないようでしたら、お手数ですが削除をお願いいたします。どうぞよろしくお願い申し上げます。
by Sho (2007-07-23 02:26)