手紙 [その他]
日曜だというのに膨大な資料の中に1日埋もれて仕事をしていました。
そのご褒美でしょうか、素敵なものを発見しました。
最初に目に留まったのは、当時『烈火の月』を週刊誌「ポスト」に連載させていただいていましたときの編集者さんが書かれた一筆箋の文字でした。封筒にも入らずに私に気づいて欲しそうに・・・。
<前略>
この度、野沢先生宛てに読書の方から手紙が送られてきました
ので、転送いたします。
担当者としてこれ以上嬉しいことはないくらい、読んでいて幸せな
気持ちになりました。
残念ながら、連載小説について手紙をもらうことは殆どございません。
他の作家担当者に聞きましても、一度もないそうです。そういった中で、
この様な手紙をいただけることは担当者冥利につきます。
<後略>
読者からのその手紙は編集者の手紙のすぐ後にありました。
筆を使い達筆な文字で書かかれた封筒の中をのぞくと、巻紙というのでしょうか、和紙を何枚もつなぎ合わせ巻き取るように折られた手紙が入っていました。それはそれは美しい行書体の文字が流れるように書かれたいました。
美しさは文字だけではなく文章も同様で読んでいて幸せな気持ちになるとおっしゃっていた編集者のかたの言葉も理解できました。
長い冬を炬燵に入り頁をめくって読んでくださってる姿が目に浮かぶようでした。登場人物に触れ、起こっている事件に触れご意見や感想を書かれていましたが、私の注目した部分は主人公我妻諒介が普通に身近にいるような人物と言っていた部分です。何度か読み返してもこの部分がどうしても理解できないでいた私にとって、この手紙はそんな疑問を薄れさせてくれました。
お手紙を下さった読者様
雪深い東北の地から応援ありがとうございました。
野沢はきっと涙しながらこの手紙を読んだことでしょう。
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