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ステイ・ゴールド [小説]

~ステイ・ゴールド~

数年前に絶版になっていたこの作品を、もう一度出版するに至った
経緯は・・・。
この作品に登場する少女たちと同じ年頃を迎えた我が娘のために、
父親の書いた作品を読んで欲しいと思ったことがきっかけでした。

近年の野沢作品は、娘には少し過激で難し過ぎますが、この作品は
12歳の少女たちが永遠の友情を求めて旅をするストーリーです。
野沢版スタンドバイミーといった感じでしょうか。
今の娘には、テーマも年齢もぴったりの作品です。
この作品のメッセージを、そして、作品の中に生きる父親を感じて
くれたら・・・。

理由はそれだけでもなく、私自身へのエールでもあったのです。
今私は41歳です。
永遠に44歳のままの野沢の年齢を超える日が来ます。
その日を迎えることへの戸惑いがありました。
今もあります。
でも、この少女たちのように頑張って、自分の人生を生きていける
ように、時折読み返したいと思う作品です。

いろんな思いのなか、新しく幻冬舎さんより、出版させていただくことに
なりました。 

ステイ・ゴールド (幻冬舎文庫)

ステイ・ゴールド (幻冬舎文庫)

  • 作者: 野沢 尚
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2006/04
  • メディア: 文庫

 


2006-10-30 17:23  nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 
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コメント 2

がっさわら

 私は『ステイ・ゴールド』は二度読みましたが、第一章の最初に、物語全体とは関わりないようでいて、とても重要なことが語られています。

―― 例えば十のことを思い出そうとするとき、十の全てを一言でくくってしまえるような一つのイメージがある。人の記憶とはえてしてそういうもので、自分の頭の中ではあえて十を語る必要がない。

 これは私自身、絵に青春を賭けていたのでよく解るのですが、一つのイメージがしっかり確立しているかどうかが作品の質を左右するのです。
 絵画も、モチーフ(題材)とキャンバスの間だけのやりとりでは傑作は生まれません。画家の中にある〝画になる前のイメージ〟をしっかり確立し、熟してから絵筆を取らないと、対象物の単なるコピーに過ぎなくなってしまいます。
 確か『ふたたびの恋』の中にも、先生である室生晃一が逢木新子に「種火は燃えているか?」と聞く場面があったはずですが(私の記憶が確かなら…今手元に本がないので)、同様のことを言っているのでしょう。
 勿論このイメージができていても、テクニックが欠けていたら作品として成立しませんが。

 ところで、友情を永遠にするため「最初の一滴」を求めるストーリーは、『川、いつか海へ 6つの愛の物語』にも受け継がれているのかなぁ。
by がっさわら (2006-11-08 17:29) 

野沢

たくさんの野沢作品をご覧いただきありがとうございます。
コメントの文章もとても滑らかで読みやすく、素晴らしです。
もしよろしければ、一番お気に入りの野沢作品の「REVIEW」を
書いて戴けませんか。 
お問い合わせメールで送信いただけましたら、掲載させていただき
ます。
是非、よろしくお願いします。
by 野沢 (2006-11-09 12:05) 

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